スポーツニュース  2006年11月11日 19:19

■競泳 日本学生選手権 「俺たちは強い!!」

 競泳の第82回日本学生選手権(インカレ)が9月1日から3日まで東京辰巳国際水泳場(江東区)で開催された。本学男子はライバル中大との大接戦を「チーム力」で制し、35度目の総合優勝、2連覇を果たした。女子は背泳ぎの伊藤華英(経済4・セントラルスポーツ=東京成徳大高)が百メートルと二百メートルで大会新記録をマーク。女子は総合で6位だった。 文・写真=宮内佑子

 男子は大会初日、四百メートル自由形でパンパシフィック選手権代表の松本尚人(文理4=静岡・沼津学園高〈現飛龍高〉)が優勝、物延靖記(経済3・セントラルスポーツ=静岡・飛龍高)が2位となった。二百メートル背泳ぎでは同じくパンパシフィック選手権代表の森田智己(同4・同=宮城・東北高)が3位に入った。本学は四百メートル自由形リレーも制し、2位中大と5点差の首位で初日を終えた。
 大会2日目は二百メートル自由形で松本が3位。百メートルバタフライでは加藤拓馬(生物資源科4=東京・付属豊山高)が優勝、佐藤久佳(文理2=同)も3位に入った。四百メートルメドレーリレーでは、昨年の同大会で本学がマークした大会記録を0秒51更新する3分38秒91で優勝。2位中大との差を35点に広げた。
 大会最終日、男子百メートル自由形で佐藤が大会2連覇、百メートル背泳ぎで森田が4連覇を達成するなどして得点を重ねたが、その他の種目で得点を稼げず、中大に逆転を許し10点差の2位と追い込まれた。最終種目の八百メートル自由形リレーに背水の陣で臨んだ本学は1位となり、同種目で4位に終わった中大と同点で並んだが、リレー3種目の総得点で本学が上回ったため、総合優勝を決めた。
 女子は、伊藤が初日の二百メートル背泳ぎで2分10秒02の大会新記録をマーク。最終日の同百メートルでも1分0秒87の大会新を記録するなどの活躍を見せた。
 主な結果は次の通り
 【男子】 
 ▼百メートル自由形(1)佐藤久佳50秒41▼同二百メートル(3)松本尚人1分51秒11▼同四百メートル(1)松本3分53秒59(2)物延靖記3分53秒66▼百メートル背泳ぎ(1)森田智己54秒68▼同二百メートル(3)森田2分0秒44▼百メートルバタフライ(1)加藤拓馬52秒88(大会タイ)(3)佐藤54秒08▼四百メートルリレー(1)本学3分21秒75▼八百メートルリレー(1)本学7分22秒58▼四百メートルメドレーリレー(1)本学3分38秒91(大会新)▼総合(1)本学
 【女子】  
 ▼百メートル背泳ぎ(1)伊藤華英1分0秒87(大会新)▼同二百メートル(1)伊藤2分10秒02(大会新)▼二百メートル個人メドレー(3)入田津久詩2分16秒75▼総合(6)本学

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最終種目の八百メートル自由形リレーで最終泳者の佐藤(右下)がトップでゴール。
逆転の総合優勝を決め、ガッツポーズをする(左から)森田、物延、松本

勝つしかない
 ○…最終種目の男子八百メートル自由形リレーが始まる直前、電光掲示板に表示されたのは「1位・中央大学359点、2位・日本大学349点」の文字。本学が総合優勝するためには、リレーで1位(40点)になり、中大が4位(30点)以下になることが絶対条件となった。自分たちが最高の結果を出しても、中大が3位以上になれば優勝はない。「勝つしかない。あとは祈るだけ」(松本)だった。
 第1泳者の物延を先頭に「連覇」の文字と部員全員のメッセージが書かれたピンクの横断幕を身にまとった松本、この日個人種目で優勝した森田と佐藤が、声援に包まれながら入場。4人は円陣を組み、心を一つにした。
 スタートが切られた。物延は部員全員からの応援を受け止めて泳いだ。マッサージや準備などサポートに回ってくれた部員への感謝を込め、チームに勢いを付ける泳ぎをすることだけを考えた。10点差のプレッシャーが、逆に良い緊張感を生んだ。二百メートル自由形の日本記録保持者、松田丈志(中京大4)に次ぐ2位で、第2泳者の松本に引き継いだ。
 パンパシフィック選手権から帰ってきたばかりの松本は、万全の体調ではない中で今大会に臨んだ。しかし四百メートル自由形で優勝したのをはじめ、チームのために奮闘。最後のリレーも「思い切りやるだけ」だった。第1泳者が物延、第2泳者が松本という前年の八百メートルリレー優勝時と同じ「やりやすい形」にしてもらえたことも、1分50秒を切る“快泳”につながった。「できれば1位で渡したかった」が、トップとの差を0秒42差まで詰め、第3泳者の森田へ。
 森田は1時間ほど前に、百メートル背泳ぎを全力で泳ぎ切ったばかり。優勝者インタビューで「リレー遅かったらごめん」と冗談めかして話していた。しかし「インカレは自分だけの大会じゃない」。森田は世界と対等に戦う選手としての意地を見せた。中京大を抜いて本学をトップに押し上げ、最終泳者の佐藤に託した。
 今大会、リレー3種目すべてで最終泳者を任された佐藤。4月の日本選手権での敗退後、泳ぐことが嫌になった時期を支えてくれたのが、部の仲間たちだった。だからこそ「このチームのために」という思いを人一倍強く持って泳いだ。
 佐藤が残り50メートルのターンをした時、泳ぎ終えた3人はそれぞれ両手を組んで祈った。本学の1位はもう確実だったが、中大は激しい3位争いを演じていた。その中大は徐々に遅れ、3位の早大との差が開いた。佐藤がゴール。続いて中京大、早大。この瞬間、逆転の総合優勝が決まった。歓喜に沸く応援席。共に戦った仲間たちへ4人はありったけの感謝を込めたガッツポーズを繰り返した。
 最終得点は本学、中大ともに389点。個人の実力差はなかった。勝負を分けたのは、リレー3種目を完全に制したチーム力の差だった。佐藤は「運も良かった」と振り返った。運も味方につけて勝ち得た優勝。昨年とは違った重みのあるこの勝利は、来年の3連覇を目指す「水の覇者」たちへの大きな糧となった。

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