総合ニュース  2006年08月03日 19:34

■文部科学省推進事業 新たに2研究選定

大学研究の高度化を図る目的で文部科学省が支援する、2006年度学術フロンティア推進事業(私立大学学術研究高度化推進事業)に本学の医学部総合医学研究所、人口研究所の2研究が新たに選定された。これにより、本学から同事業に選定されたプロジェクトは計40件となった。

総合医学研究所
 医学部総合医学研究所の永瀬浩喜教授(癌遺伝学)を代表するチームは、がんの病態解明から効果的な治療薬の開発、臨床前実験までを研究する拠点を構築するプロジェクトを進めている。
 同プロジェクトは、グループ内の研究者が分業でがんを引き起こす遺伝子を探し、その遺伝子が培養系、マウス、ヒト組織の各レベルでどのような働きをするかを評価、最終的には薬剤の開発まで結び付ける試み。従来の臨床前試験に比べ、密接にヒトの病態を評価することができ、最終的な臨床試験での失敗の確率を低くできるという。
 臨床試験はがん患者に多大な経済的負担を強いるが、このシステムが確立されれば、臨床試験の回数を最小限にでき、患者ごとの「オーダーメード治療」も可能。従来より小さいコストで治療薬が開発できるという。

人口研究所 
 大学院総合科学研究科の斎藤安彦教授(人口研究所員〈人口と加齢学〉)が代表するチームは、現在日本が直面している少子化、高齢化問題と、世代間の所得分配を把握する「国民世代間移転」の三つの分野に焦点を当て、人口変動決定要因を明らかにする。得られた研究成果を人口研究所が1982年から行なってきた人口推計に反映し、社会に役立つような政策を提言することがプロジェクトの目的。
 国が行っている人口推計は政策的な思惑に左右されるため、人口研究所など民間の人口推計の方が正確だといわれている。三つの分野の実態がそれぞれ解明されれば、従来出生率と死亡率で決定されていた人口推計がより正確になり、出生率の減少などの諸問題の解決策が期待される。
 今後4年間で高齢化に関する調査を3回、少子化に関する調査を2回行う。また日本と同じ少子、高齢化が進むフィリピン、シンガポールでも2回の調査を行う。
 斎藤教授は「日本の人口統計研究は遅れている。今後は研究とともに後進の育成にも力を注ぎたい」と話した。

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