学術ニュース  2006年05月20日 19:32

■工学部尾股教授らスタンフォード大共同研究へ

 工学部の尾股定夫教授(電気電子工)がプロジェクトリーダーを務める産学連携グループが、米スタンフォード大医学部との共同研究に乗り出すことがこのほど決まった。同グループが開発した、がん細胞の増殖経過を分析できる装置が、がん治療分野の世界的権威である同大に認められた。共同研究は5月17日からスタート、近い将来の製品化を目指す。

 同装置は、超音波の特性を利用し人間の皮膚や内臓、細胞の表面の硬軟を測定、数値化する触覚センサーを備えている。人体から摘出した細胞や培養した細胞にセンサーを接触させると、細胞の形状がパソコンのモニター上に映し出される。細胞内部も輪切り状で確認することができ、がん細胞を赤色、正常な細胞を青色で示し、がん細胞の広がりを分析することが可能。
 がん細胞は正常の細胞より硬いとされるが、その理由や増殖のメカニズムは今まで、未解明だった。この装置の開発により、未解明部分に光があてられる可能性が生まれた。また、これまでは切り取った細胞を顕微鏡などで調べるのが一般的だったが、細胞ががんに侵されているかなど、詳細な部分までは確認できなかった。さらに摘出した細胞は死細胞のため、増殖がどのように進んでいくか分析することも困難だった。
 新たに開発された装置では、増殖中の細胞に20分間触覚センサーを当てて形状を覚えさせることにより、ミクロン単位での分析とさまざまな角度からの観察が可能になる。この装置が実用化されれば、初期段階でがんの増殖を抑制できる新しい治療法や新薬の開発にもつながると期待される。

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