学術ニュース  2005年07月23日 10:55

■「ハートtoハート」 臓器移植の推進を訴える

 臓器移植の推進をテーマに本学が主催した第2回臓器移植・一般市民公開シンポジウム「ハートtoハート~助かる命を助けられる国に~」が6月25日、日本大学会館で開かれた。一般市民や関係者から多くの反響を得た昨年に続き、今年も約500人が訪れ、体験談や専門家の話に耳を傾けた。
 

 シンポジウムは5部構成で、医学博士の瀬在幸安総長も出席した。

 【1部・移植体験談】 昨年もシンポに参加した石田恵梨佳さんら3人が移植体験を語った。石田さんは18歳のときに心臓移植を受けた。移植を受けるまでのドキュメンタリー映像が流された後「家族に支えられた18年間でしたが、今度はわたしが家族を支えていきたい」と語った。

 【2部】 大学院総合科学研究科の南和友教授が「臓器移植とは」のテーマで、臓器移植は強制ではなくあくまで自己申告という基本的な原則、脳死と植物状態の違いなどを説明した。

 【3部・討論会】 「日本の移植医療を考える」と題し、河野太郎衆議院議員ら5人が議論した。

 始めに、一番大きな障害となっている法律の問題が真っ先に挙げられた。現行の臓器移植法では本人が臓器提供を認める書面での意思表示がなければならず、15歳以下の臓器提供も認められていない。子供が臓器提供を受ける場合、海外での治療しか選択肢がないのが現実で、渡航するにも最低で6千万円以上のばく大な費用がかかる。河野議員は「今の法律ではドナーは増えない。改正案では『家族だけの同意』を認め、臓器提供は、せめて12歳まで年齢を引き下げる案を提示する」と今国会での同法改正案提出を強調した。日本では臓器移植提供の意思表示として、臓器提供意思表示カード(ドナーカード)を提示することになっているが「日本でカードを所持している人は非常に少ない」と南教授は警鐘を鳴らした。

 医療現場についても触れられた。現在の日本では移植医療に関する医師の知識、積極性がないという。教育の不足や専門の教育課程を準備した大学が少ないことが理由で、さらに「脳死が人の死か自信がないと答える医師もいる」という。河野議員は「プロがそんなことを言っては駄目。医療界の移植医療に関する知識を徹底しなければならない」と国民が医療不信に陥りかねない議論も交わされた。

 【4部】 医学部の澤充教授(眼科学)が角膜移植に必要な条件やドナーの諸問題について講演した。

 【5部・支援メッセージ】 臓器移植に対する支援メッセージを伝えるため、日本オリンピック委員会(JOC)副会長とNPO法人日本移植者スポーツ協会会長の小野清子参議院議員ら5人が参加した。

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