学術ニュース , 写真ニュース  2005年07月22日 15:18

■総合大学院開設記念 東アジア問題討議

 大学院総合科学研究科(総合大学院=研究科長・瀬在幸安総長)の開設記念シンポジウムが、「中国・韓国・北朝鮮・日本とアメリカ」をテーマに7月1日、日本大学カザルスホールで開催された。

シンポジウムでは近年の反日感情の高まりや北朝鮮問題等で注目されるアジア・太平洋の安全保障と日米関係について考察した。
 第1部は牧野富夫副総長(経済学部長)の講演者紹介で始まり「平和の名において、戦争を仕掛ける事例もあるようです。本当の意味の平和を念頭に、先生方にはどうか本音でお話ししていただきたい」と述べた。

 日本遺族会の会長を務める古賀誠衆議院議員(1963年商卒)は、ブッシュ米大統領や日本の小泉首相に代表される新保守主義の台頭を背景に、日本における急速なナショナリズムや右傾化が進む状況を危惧(きぐ)し「米国一辺倒はアジアの近隣諸国との信頼関係樹立に大きな障害となってきている」と述べた。また近隣諸国と信頼を築く上で最も大切にしなければいけない要素として領土、歴史認識、安全保障問題の三つを挙げた。特に靖国問題で議論を呼んでいる歴史認識問題については「大東亜戦争で父親を亡くした遺児の一人として、靖国の森に鎮まっている方々が安らかにお眠りできる環境を作ることが一番大事」と語った。

 米・スタンフォード大フーバー研究所のジョン・レイジアン所長は北朝鮮は米国と友好国が過去65年間直面し続けてきた脅威の小型版であるとし「自由な経済活動によって、より豊かで平和な、自由で民主的な地域が生まれる」と述べた。中国に関しては、米国が経済のパートナーとなることを期待すると述べた。


中国の限界も指摘

 駐日中国大使館の呉江浩政治部参事官は「北朝鮮の核問題は6カ国協議で関係国が努力をしてきたが、究極的にいえば朝米間の問題である」と述べ、中国の影響力にも限界があるとの考えを示した。また北朝鮮を説得する方法論について、関係各国の手段と方法を統一させようとする現在の方針では「6カ国の話し合いではなく、一つのグループ対北朝鮮という構造になってしまう」と述べ、核問題の解決に本当にプラスになるのか考える必要があると訴えた。日中関係の状況ついては「歴史認識問題、現実的な利害関係、そして、戦略的選択に対し双方が不安を持っている」と述べ、それぞれが相互理解を深める必要があることを強調した。


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日本の右傾化状況に不安を表明する古賀議員

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