学術ニュース  2005年07月13日 18:36

■理工・大津教授ら3人 水理学討議論文最高賞を受賞

理工学部の大津岩夫教授(水理学)、安田陽一助教授(環境水理学)、高橋正行助手(水理学)の研究グループが「階段状水路における流れの特性について」というテーマで米国土木学会(以下ASCE)のJ・C・スティーブンス賞(ASCE水理学討議論文最高賞)を日本人として初めて受賞した。表彰式は5月18日に米国・アラスカ州アンカレッジで行われた。

この賞はASCE水理学論文誌に掲載された討議論文の中で最も優れたものに授与される。2002年から04年までは該当者がいなかった。03年6月から04年5月までの論文が対象で大津教授らのグループの論文は04年2月号に掲載された。同誌は132年の歴史を持ち、米国内だけでなく世界中の研究者に読まれている。

 大津教授と安田助教授は00年にASCEのカール・エミル・ヒルガード賞(水理学論文最高賞)も受賞しており、2人は両方を受賞した初めての日本人となった。

 階段状水路は古くローマ時代から活用され、速い流れを制御する性質を持っている。最近ではダムの洪水吐きや魚の通り道(魚道)などに用いられている。しかし複雑に空気が混入した流れのため計測が困難で、今日まで経験に基づいた設計しかされていなかった。また、行われている研究も事例研究が多く基礎研究もあまり進んでいなかった分野だ。

 大津教授らは10年程前から実験を始め、最近はテクノプレース15内の水路実験設備などを使い、新しい手法で高速流中の空気と水が混ざる割合や気泡の通過する速度を測定していた。

 大津教授らは実験結果を基にして、実際の現象との違いを討議論文という形で明らかにした。今回の論文のほか、関連した四つの論文・討議論文をこれまでに発表している。

 これらの成果は公園や遊園地にある噴水など親水空間の設計に応用することができる。今までは単純な設計だったが、今後はより複雑なものも設計可能になる。また、洪水対策などにも用いられる水路により正確な設計が可能となり、河川の生態環境改善にもつながる。


 大津教授の話 わたしどもの研究室で世界に誇れる賞を二つも取ることができたことは、本学で研究を進めてきた者としてうれしい。学生諸君の勉学、研究に対する誇りにつながればと思う。

 安田助教授の話 卒業研究と大学院での実験を通して世界に誇れる成果を挙げられたということがうれしい。世界の頂点は遠くない。

 高橋助手の話 今回の受賞を含めたわたしの経験を教育の場に還元し、学生の能力向上に粉骨砕身で臨みます。

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